指のしびれ

骨折などの外傷の既往歴があったり、仕事で手を酷使していた方や出産期や更年期の時期の女性に多いのが指のしびれです。初期は手を軽く振ったりすることで症状が落ち着くことが多いですが、症状が進行してくると手のひらの筋肉が萎縮したり、小さなものがつかみにくくなったり細かい作業が難しくなります。

日常生活から考えられる原因

1 日常生活で手を酷使している方

仕事で手芸をしていたり家事などで手を酷使されている方で指にしびれを感じる場合があります。手はよく日常生活でよく使う部位なので安静にすることが難しくしびれや痛みが長引くことが多いです。

2 女性のホルモンバランスによるもの

妊娠や出産、更年期など女性のホルモンバランスと関連してしびれが出ることがあります。またその時期は育児などで手を酷使することが多いことも関係しています。

3 肩凝りや頸周囲の疾患からくるしびれ

肩の凝りが強かったり、頸周囲の疾患が起因して指まで痺れが起きることがあります。頸から指は神経が繋がっているためしびれの原因を見つけることが重要です。

4 交通事故やスポーツ外傷からくるしびれ

交通事故やコンタクトスポーツなどで頸に衝撃が加わり負傷し、痛みや痺れがでることがあります。全身が気持ち悪いなどの症状が出ている際は注意が必要です。

指のしびれをともなう疾患

1 頸肩腕症候群

首の骨(頸椎)の湾曲の消失(いわゆるストレートネック)など、さまざまなことが要因となり、後頭部から首、肩、腕、手までのいずれか、または全体に広がる「こり」、「しびれ」、「痛み」などの総称を頸肩腕症候群といいます。首や肩関節に明確な異常がある場合や、ケガなど原因が明らかなものは除きます。仕事やスポーツで腕をよく使う人や不良姿勢の人、長時間同じ姿勢をとる人に多いと言われています。近年では、スマホの使い過ぎなどもその要因の1つとして考えられています。

2 頸部脊椎症・頸椎症

加齢により首の骨(頸椎)や椎間板が変形し、神経を圧迫することで首や肩、腕、手の痛みやしびれがあらわれる疾患で、中高年に多く発症します。多くは片側のみで、痛みやしびれのほか腕や手の感覚が鈍くなったり、力が入りにくくなったりします(神経根症状)。また脊髄を圧迫すると、箸がうまく使えなくなったり、足のもつれや走ったりジャンプができないなどの麻痺が出ることもあります(脊髄症状)。まずは首を安静にするためにサポーターを装着したり、痛み止め薬の使用、牽引を行います。手や脚に日常生活で支障が出るほどの麻痺症状がある場合や、痛みやしびれが長く続く場合は手術の対象になります。

3 頚椎椎間板ヘルニア

背骨をつなぎクッションの役割をする椎間板の一部が飛び出してしまうことで、神経を圧迫し首や肩、腕の痛みやしびれを引き起こします。30~50歳代に多く、長時間同じ姿勢で仕事をしたり、スポーツによるケガなどが原因となります。頸部脊椎症・頸椎症と共通する症状が多く、片側の首や肩から腕や手にかけての痛み・しびれのほか、感覚障害や運動障害などの麻痺が起こることもあります。治療も頸部脊椎症・頸椎症と同様で、まずは保存療法が選択されますが、難治例や麻痺症状がある場合は手術が選択されます。

4 胸郭出口症候群

高いところのものを取ったり、つり革につかまるときなどに、手指や腕のしびれ、だるさ、冷感、また首から肩や胸にかけての痛みが出ます。なで肩の若い女性に多く、そのほかでは重いものを持ち運ぶ労働者、野球などの腕を使うスポーツをする人も発症すると言われています。多くは片側のみに発症します。基本的には保存療法が主で、症状を悪化させる動きを避けたり肩周りの強化あるいはストレッチなどを行います。なで肩の場合は、肩を持ち上げるサポーターが有効なことがあります。

5 脊椎椎体骨折による脊髄損傷

転落や交通事故、スポーツなど強い力が加わった際に発生し、背骨(脊柱)の骨折・脱臼だけでなく、中を通る神経の損傷(脊髄損傷)を高い確率で伴います。損傷の部位や程度によって、手足が動かせなくなったり感覚がなくなったりするなど様々な症状がでます。

6 肘部管症候群

小指と薬指の感覚が鈍くなり動きがぎこちなくなる疾患で、尺骨神経が肘関節の周りにある肘部管という細いトンネルの中で圧迫され麻痺することが原因です。変形性肘関節症や肘関節周囲の骨折後の変形治癒(外反肘変形)に続発するもの、スポーツによるものが多いと言われています。肘の内側を軽くたたくと、小指と薬指にしびれや痛みがはしります。麻痺が進行してくると、手のひらの筋肉がやせてきたり、小指や薬指が変形してきます。

7 変形性肘関節症

肘のケガ(関節内の骨折や脱臼)や過度な使用(スポーツや重労働)が原因で関節が変性することで、肘を動かした時に痛みや雑音がしたり、肘が完全に曲がらない・伸びきらないなどの症状がでます。股・膝関節にくらべると頻度は低いですが、野球肘の末期は変形性肘関節症となります。またロッキング症状(激痛とともに肘が動かせない)や尺骨神経麻痺(肘部管症候群と同様の症状)を生じることがあります。

8 手根管症候群

親指から薬指にかけてしびれや痛みが出たり感覚が鈍くなるほか、親指の付け根の筋肉がやせてくる(猿手変形)ため物をつまむことが難しくなります。妊娠期や更年期の女性、手をよく使う職業、透析患者などに多いと言われています。手首にある手根管というトンネルの中を通る神経(正中神経)が、様々な要因でトンネル内で圧迫され麻痺することで発症します。痛み止めやサポーターの着用などの保存療法が基本ですが、筋肉の委縮がある場合や難治例には手術を行うことがあります。

9 橈骨神経麻痺

二の腕の骨折(上腕骨骨幹部骨折)に合併するものや、注射によるもの、睡眠時の二の腕への圧迫によるもの(ハネムーン症候群)が多く、主に手と指がだらんと下がって持ち上げられなくなります(下垂手)。また、指や手の甲側から前腕の親指側にかけての感覚が鈍くなります。肘や前腕で麻痺した場合は、指の運動障害(根元のMP関節を伸ばすことができない)のみで、感覚障害はないかあっても手や指の甲側のみで軽度です。

10 正中神経麻痺

正中神経は親指から薬指までの手のひら側の感覚を支配しているため、この神経が傷害を受けると、指先の感覚や器用さに大きく影響します。原因はケガ(切り傷、骨折など)による損傷や、慢性的な圧迫による麻痺(手根管症候群など)があり、どの位置で傷害されるかによって症状が異なります。手首付近の麻痺では、手根管症候群と同様の症状が現れます。肘やそれより体に近い位置での麻痺では、手根管症候群の症状に加えて、親指と人さし指を曲げることができなくなったり、手首を曲げたり捻ることが難しくなったりします。

11 尺骨神経麻痺

ケガ(切り傷や骨折など)に合併するものや、肘部管症候群などの慢性的におこるものがあります。前腕より先の麻痺では、小指や薬指の動きがぎこちなくなったり、小指や薬指、手の小指側の感覚が鈍くなります。肘より上の傷害では、肘部管症候群と同様の麻痺症状のほか、前腕の小指側の感覚が鈍くなったり、手首を手のひら側や小指側に曲げる力が弱くなることがあります。

12 腕神経叢損傷

多くはバイクの転倒事故などにより、腕が不自然な姿勢で投げ飛ばされたり、頭や肩が強く引張られた後に、腕を挙げることができなくなったり、感覚がなくなることがあります。腕神経叢と呼ばれる鎖骨の近くにある神経の束が損傷を受けることが原因です。鎖骨の骨折や肩関節の脱臼に併発したり、分娩時の新生児に起こることもあります(分娩麻痺)。主な症状は片側の腕の麻痺、しびれ、痛みです。損傷した部位や程度により、肩を挙げたり肘を曲げることができないものや腕全体が全く動かないもの、徐々に自然回復するものから手術が必要なものまで様々です。


監修:理学療法士 門脇 章人

トレーニングで鍛える

首の筋肉の筋力を強化する運動


回数:10回×3セット

STEP1:人差し指で顎に触れます。
STEP2:顎を引きながら後頭部をタオルに押し付けます。
STEP3:ゆっくりと戻します。
注意点:顎が上がらないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク

セルフケアでメンテナンス

肩甲骨の動きを良くする運動


回数:10回×3セット

STEP1:背中を丸め手を前方に出します。
STEP2:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きます。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:肩をすくめないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク

体幹の動きを良くする運動


回数:10回×3セット

STEP1:横向きに寝た状態で片膝を曲げて床につけます。両手を前方に伸ばします。
STEP2:体を捻りながら腕を開きます。(目線は指)
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:膝が床から離れないように注意してください。


※注意事項※
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)を行なった際に体に異変が生じたり、強い痛みを感じた場合はすぐに中止し、専門機関に相談した上で専門医の指示に従ってください。
・本ページ掲載のストレッチ・運動・消炎処置(アイシングなど)において生じたいかなる事故・クレームに対して、弊社、監修者は一切の責任を負いかねます。

動画提供元:株式会社リハサク